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『紙の月』映画を観た感想。角田光代さんの小説を読みたい。

先日、お仕事のお休みを頂いたので映画『紙の月』を見てきました。

映画を観た率直な感想としてはイマイチかな・・・なんて思ったのですが、ゴロウデラックスにて、『紙の月』の原作者・角田光代さんが出演されていて、『紙の月』の魅力を感じてきました。

ゴロウちゃんが、紙の月の主人公の夫・梅澤正文の性格を描写している小説の一説を読んでいて、さらに魅力を感じましたね。

紙の月ポスターのコピーは微妙です。

これは映画 → 小説の流れで見ると魅力の増す映画なのかもしれません。

 

原作者の角田光代さんもなかなかおもしろい方だったので少し紹介しておきます。

 

角田光代さんってどんな人?

ゴロウデラックスで淡々とお話されていましたが、結構おもしろい方でした。

箇条書きで書いておきます。

・小学校1年生から作文が大好きで書きまくっていた。
・書くことが無くなると作文にウソを書く。
・横浜の捜真女学校に通っていた・
・早稲田大学第一文学部卒業
・自宅で仕事ができないので、徒歩15分のところに事務所がある。
・月~金の9:00~17:00で働いている。
・神的な何かが降りてくることはまったくなく、16:45には帰る支度をする。
・プロレスが好き。
・仕事が終わったら、朝まで飲みに行くこともある。

 

小さい頃から「書くこと」が大好きで、小学校1年生の頃からすでに小説家になりたい!と思っていたそうです。

そして小説になるために、小説の書き方を指導している早稲田大学に進学しすぐに小説家デビューを果たしています。

wikiの情報だと結婚を2回経験されているみたいですね。

 

『紙の月』の内容

一見、真面目そうな綺麗な女性が堕ちていく様子を楽しめる映画。
ストーリーとしては、銀行の契約社員の梅澤梨花がたいして、かっこよくもない大学生にハマって横領していくという、1行の文字にしてしまうと何とも味気ないストーリーなんですが・・・

夫婦生活の問題
カトリック系の学校に通っていたこと
元来、尽くし癖があること

 

この3つが彼女をパッとしない大学生にハマらせた、(=してはいけないことに手を染めた)大きな要因なのだろうと。

徐々に押さえつけたゴムボールが反発して飛んでいったような印象です。

○夫婦生活の問題
旦那の正文は大手商社に勤務していて、まぁ一目でわかるようなエリートっぽい感じなんですが、悪い人では決してないタイプなんです。

妻の梨花にも優しく接していますし、家庭を大事にしていないわけでもなさそう。

でも子供を欲しがっていなかったり、言葉の節々や態度が癇に障るわけです。

 

例えば、梨花が契約社員として銀行で働き始めて、初めて貰ったお給料でペアの時計をプレゼントするんです。

でも、『あ~・・・ゴルフにしていくよ。こーゆー手軽なの欲しかったし。』

と、嬉しいふりをしつつもあんまり、嬉しくないのがバレてしまう態度をするんです。

 

そして、上海の出張から帰って来た時に、カルティエの高級時計を梨花にプレゼントするんです。

『(なんで・・・?なんで時計にしようと思ったの?)』

と梨花は思うわけですが、旦那には言えずに我慢する(=合わせる)のも堕落する彼女を作る要因であるわけです。

 

ちなみに、小説版では

梨花がレストランで料理をご馳走するのですが、帰りの電車の中で

「値段の割にイマイチだったね。」

なんて言うわけです。

その数週間後に、一緒に旅行に行くのですが、「こないだの食事よりマシなもんが食えるよ」と悪気なく言ってしまうのです。そう、問題は彼に悪気が無いところなんですよね。

 

○カトリック系の学校に通っていたこと
映画はカトリック系の学校に通っている女の子が放課後に5万円を机に並べてほほ笑む姿から始まります。

その少女とは主人公の梨花なわけですが、カトリックってのは禁欲を重んじる宗教なんですよね。

最近流行りのドラマ「ごめんね青春」をご覧であれば、カトリック系の学校ってのがどんなものかわかるかと思います。

 

そして私立に通っているということもそうですが、回想シーンでお父さんの財布から5万円を抜くシーンがあり、お父さんの書斎からお金を盗みます。

まぁ書斎がある時点で、お金持ちの家ってことがわかるわけですね。お父さんも厳しかったんでしょうか。

この小さい頃の抑圧も梨花の行動につながっているのではないでしょうか。

 

○元来の尽くし癖があること
先ほどの、お父さんから5万円を盗んだ理由ってのは、アフリカの恵まれない子供への募金のために使ったお金なのです。

普通の感覚であれば、親のお金を盗んで自分のために使いますよね。

でも梨花は人のために使ったわけです。しかもそこに悦びを感じて自分がお金を盗んだことを正当化します。

 

学校の集会でシスターに、「この中にルールを破った人がいます。自分のお金のうち少しだけの優しい気持ちを寄付するということでスタートしました。しかし、中学生では考えられない額を寄付した人がいるので辞めます。」

と、言われて黙ってりゃバレないのに、

「私は間違っていません!」
「お父さんの財布から盗みました!」

と、悪いことを正義のように話してしまうわけです。

 

だから、大学生の平林光太が学費のために借金がある(=本当かどうかはわからない)と聞いて、尽くしてあげたくなり、感謝されることによってエスカレートしてしまうわけですね。

 

『紙の月』の感想

 

ただの貢ぎとは違う。

 

貢いでしまう女性は世の中にゴマンといると思いますが、その理由って

相手に必要とされたい
相手を喜ばせたい
必要とされたい

が想像できる範囲だと思います。
で、多くの場合が、「このままじゃダメだ。」「良くないことだ」なんて思いつつも貢いでしまうのではないでしょうか。

でも『紙の月』の主人公・梨花は最終的に、「初めて朝帰りした時に自由を感じた」と話しており、今まで抑圧された何かが解放されたかのように、自分のしたいことをする → それが貢ぐということ。

といった形で最終的に「いつまでも続かない。何も残らないけど、したいからする」と自由を感じてしまっていて、肯定的なんですよね。

そう、5万円を寄付して怒られたのに一歩も引かなかった時のように。

 

だから、貢ぐって1つの事象を取り上げても精神的には達観しているように思えます。

ただの貢ぎとは違うってわけです。

 

 

まぁ、ゴロウデラックスのゴロウちゃんの朗読で痛感しましたが、小説の表現が秀逸だったので時間作って小説を読んでみたいと思います。

 

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