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新大学入試制度の導入で私立の中高一貫生はますます「達成度テスト」が有利になるか。

新大学入試制度の導入で私立の中高一貫生はますます「達成度テスト」が有利になるか。

前回、大学入試にてセンター試験が廃止になり、それに代わる『新大学入試制度』について

お伝えしました。

→ 大学入学希望者学力評価テスト導入でセンター試験廃止

 

実際のところ高校では4割ほどの高校がセンター試験の廃止に反対しているようで、

18歳で人物評価をしてしまうのは、家柄や経済力によるものが大きく出てしまうとの批判の声も上がっていますね。

そんな『新大学入試制度』に盛り込まれる、「達成度テスト」が高校在学中に何度か受けられるようになりそうなのですが・・・この「達成度テスト」について少し考えてみました。

私立の中高一貫は大学受験が有利

私は東京に住んでいるのですが、東京では公立の小学校から私立の中高一貫校に通う割合は実に17%近くいます。

千代田区に関しては40%を超えるそうで。

出典:リセマム

 

渋谷区、港区や、文京区なども30%超え。つまり、クラスの10人中3~4人は中高一貫に通います。
なぜ私立の中高一貫に通わせるか?
と言うと、質の高い教育を受けられる、良い客層が集まっているなどの諸々の理由がありますが

最終的にはなんと言っても大学受験に向けたカリキュラムでしょう。

 

割とビックリするのですが、中学受験での偏差値が50程度の学校でも

中学に入ると、鬼のようなカリキュラムが待っています。

 

例えば、帝京大学中学を例に挙げてみましょう。
(帝京大学中高は、帝京大学に進学する人はほとんどいません。大学受験をします。)
四谷大塚の発表している中学受験偏差値では、50程度です。

四谷大塚

出典:四谷大塚

中学受験の偏差値は四谷大塚や首都圏模試などが、発表している偏差値と中学のレベルを基に作成している偏差値表では、かなりの乖離があるので注意です。

模試の偏差値を基準にしているものを参考するのが良いですね。

だから、中学受験の畑の先生が大学受験で、偏差値65とか聞くとかなりビックリするわけです。

中学受験だと海城中学校が偏差値65とかですからね。

 

話を戻します。

 

中学受験の偏差値50などでも、小学校4年生から塾通いをして、3年間勉強して、

自宅でも勉強して、小学校6年生なんかはそれこそ1日中塾に缶詰で・・・それでやっと合格できます。
まぁこの中学受験を経験しているってレベルで、公立の子達とは圧倒的な差がつきますよね。

算数だって、ほぼ毎日問題に取り組み頭を使い、社会なんて中学校レベルの地歴公民はもちろんだし、理科だって中学レベルは普通に出てきます。

一番公立の子達と差がつくのは国語でしょう。

説明的文章や文学的文章を3年間取り組むとか読書に換算しても相当な量です。

 

入ってからも、圧倒的に違います。

大学受験に特化した私立の中高一貫のカリキュラムは、

中学1~2年生: 公立の中学3年生までの内容+高校単元
中学3~高1年生:公立の高校3年生までの内容+受験レベル
高校2~高3年生:大学受験演習

 

のようにカリキュラムを作成しています。

イメージとしては以下の通りですね。

帝京中学
出典:帝京中学

高校2年生からは、すでに難関国立や早慶に向けたクラスに分かれて、大学受験の勉強を2年間みっちりやるわけです。

東京で偏差値60の都立高校でしたら、この段階で受験のじゅの字も出ません。

 

このように書いていますが、私は私立中高一貫の信者でもなんでもなく

自分自身は大学まで公立でしたのであしからず。あくまで事実を述べています。

 

上記のカリキュラムに加えて、私立の中高一貫では

毎朝、朝テストがあったり、土日に鬼のように宿題が出たり、夏休みなどの長期休みに鬼ように宿題が出たり、単元テストや実力テストなんかもあります。
良いか悪いかは別として、学校の授業についていくことができれば、

大学受験の勉強では圧倒的に有利な状態で高校3年生を迎えることができるのです。

 

だから、現在の大学受験においても私立の中高一貫生はめちゃくちゃ有利なわけです。

まぁ、親御さんも高いお金を払って、子供も他の子が遊んでいる間に一生懸命勉強するからこそ得られる恩恵なのですが。

 

 

私立の中高一貫生はさらに、有利になる

 

めちゃくちゃ前置きが長くなりましたが・・・

ここで、「達成度テスト」が導入されることによって、さらに私立の中高一貫生は有利になります。

その理由は以下の通りです。

①高2の段階ですでに高校範囲が既習になっている
②私立の先生方はめちゃくちゃ対策してくるだろう

 

これらの点ですね。

敢えて説明する必要性も無さそうですが、一応お伝えしておきます。

 

①高2の段階ですでに高校範囲が既習

新たな大学入試制度では、センター試験が廃止になり、「達成度テスト」を高校生のうちに受験します。

年間2~3回は受けられるようになるそうで、良い点数が取れなかったとしてもチャンスが残り数回あります。

 

私立の中高一貫生であれば、高校1年生までに高校生内容を既習しているので

一度範囲が終わった段階で受験が可能なわけですね。

 

これに対して、公立の高校生はどうでしょうか。公立の中学に進学する以上、(一部の一貫校を除いて)高校入試が待っているわけですから、高校1年生になって初めて、よーいドン!で高校生の内容を学びます。

で、量を検討すれば考える必要もないのですが、ほとんどの公立高校では高校3年生の2学期に高校生内容が修了するんですよ。

私自身も偏差値50台後半の公立高校に通っていたので、肌で感じることができますが、まぁみんな勉強しない。

だから授業も進まないし、テストのレベルも低くなる、
で、部活を引退する高校3年生の1学期くらいから本格的に大学受験の勉強を始めるわけですが・・・

新制度では、時すでに遅し!になってしまうわけですよ。

だってチャンスがあと1~2回しかないからね、十分な勉強時間を設けずに「達成度テスト」を受けることになるわけです。

学校の授業を聞いているだけで、すべて理解して覚えていられるスーパー能力の高い生徒以外は、実質受験勉強が短くなるわけです。しかも、それに加えて面接だとか、小論文もやるわけですしね。

 

ますます格差が広がると。そーゆーことです。

 

②私立の先生はめちゃくちゃ対策してくる

公立が、高校で日本史Bだったら、日本史Bの内容を高校2年生あたりで、それこそ縄文時代から1年間かけて、やっと江戸時代まで進む段階で・・・(これ事実です)
中高一貫の私立高校の先生は、日本史Bがどのように出題されるか?を研究して

授業で問題をバシバシ解いていくでしょう。

それこそ高校1年生の時の授業から、学校の定期テストも「達成度テスト」に合わせて作って

「達成度テスト」で高得点を取れるような授業カリキュラムと授業を展開するはずです。
(中学生で一通り日本史も学習している状態です)

 

 

 

このように、前倒し前倒しで「達成度テスト」に向けての対策をしていくことができるので

公立と私立の格差は広まる一方で、

もしかしたら、10年後の国公立入試は、私立の中高一貫生、あるいは本当に英語に秀でた一部の優秀な人間で埋め尽くされてしまうかもしれませんね。
親の年収や行動で、そもそも勝負のリングにすら立たせて貰えないのはいささか可哀想な気もしますが。

どうなるのかは楽しみです。

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